2026年7月号: 共同親権を選んだ後の意見対立の調整手続き
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共同親権を選んだ後の意見対立の調整手続き
父母が離婚時に共同親権を選んだ場合、日常の行為(普段の食事や服装の決定等)を行うときと、急迫の事情があるとき(緊急手術が必要なとき等)には、父母の一方が単独で親権行使を行えます。しかし、それ以外の事柄については、父母で共同して親権行使をしなければなりません。互いの意見が対立した場合、そのままでは親権行使ができないため、次のような手段で解決をする必要があります。
1.親権行使者の指定
「父母が共同して親権を行うべき特定の事項」について、親権行使者に指定された親が単独で決定できるようになります。
「特定の事項」に当たるものは次の3つです。
①身上監護に関し、子に対して重大な影響を与える行為(「日常の行為」以外)
転居、進学、手術等の重大な医療行為等です。
②子の財産管理に関する行為
祖父母から子に贈与された資産の処分等です。
③身分行為
離婚後の子の苗字を親に合わせて変えること、養子縁組を15歳未満の子に代わって代諾することなどです。
「特定の事項」は、例えば、「高校の在学契約を結ぶこと」「Aへ引っ越しすること」のようにピンポイントで指定されます。身上監護全般について単独で親権が行使できるようになる手続きではありません。
「再婚相手と子どもの養子縁組をしたいのに、元夫が同意しない」というような、ピンポイントの困りごとを解決したい場合にこの手続きを利用することが想定されます。
2.子の監護者の指定
子の身上監護全般について、指定された親が単独で決定できるようになります。
身上監護については、日常的な行為に限らず全般が監護権の範囲に含まれるので、進学・引っ越し・医療行為等について、いちいち他方の親の同意を得る必要はなく、単独で決定することが可能です。
もっとも、財産行為や身分行為については、この手続きでは決定できません。
3.子の監護の分掌
身上監護について、父母で分担するものです。
例えば、「学校のある期間は母、夏休みは父が監護する」というように期間で分担したり、「進学に関する決定は父が、その他の身上監護の決定は母が行う」というように事柄で分担したりすることが考えられます。
3ついずれの手続きも、父母の協議によって合意できないときには、裁判所の調停や審判の手続きを利用して決定することになります。
4.親権者変更
共同親権から、父母いずれか一方の単独親権へ変更する際に利用する手続きです。子どもの利益に適った状態にするため、単独親権を希望する理由、子の現況、共同親権を選んだ際の協議状況、その後の事情変更等の様々な事情を踏まえて判断がなされます。
離婚時に共同親権を選択した場合、仮に父母が親権者変更の合意をしていても、必ず調停または審判手続きを行う必要があります。
共同親権を選択したものの、離婚後の親権行使について父母でトラブルになってしまう場合には、これらのなかで相応しい手続きを利用することを検討するとよいでしょう。

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【市川法律事務所】
所属弁護士:三浦 知草(みうら ちぐさ)- プロフィール
- 中央大学法学部法律学科卒業。弁護士登録後は主に、交通事故、離婚・不貞問題、労働事件、刑事事件などを中心に、ご依頼者様に寄り添いながら、お気持ちや意見をしっかり代弁した上で納得のいく解決に導けるよう丁寧な活動を行う。趣味は読書、野球・ボクシング・相撲のTV観戦、好きな言葉は「命あっての物種」。
交通事故解決事例
1.事故の状況と相談までの経緯
妻とホームセンターに買い物に来たⅩさんは、駐車場から通路を挟んだ店舗に向かうため通路を渡ろうとしていたところ、横から車が通路を進行してきたため通路の横断を中断し、車を先に行かせようとしました。しかし、進行してくる車を避けきれず、ドアミラーと左肩が接触して怪我を負い、4か月ほどの期間通院を余儀なくされました。治療終了後、示談交渉が行われました。
示談交渉当初、Xさんには代理人が就いていましたが、セカンドオピニオンとして当法人に相談されました。
2.本件の争点
相手方には既に代理人が就いており、通路を進行していた車にはドライブレコーダーがありましたが、相手方代理人からは通路を進行する車に対してXさんの方から近づいており、事故発生に一定の影響を及ぼしたなどとして過失割合が争いになっていました。
また、Xさんは現場での仕事を行っており、事故後1週間程度は痛みを我慢していましたが、体に支障が生じ2か月ほど休養することとなりました。これに対し、相手方代理人からは休業損害(必要性及び期間)について争われました。
当職としては、主に上記2つの争点につき示談交渉を引き継ぎ、依頼活動を開始することとしました。
3.具体的な活動
まず、過失割合について、相手方代理人からはドライブレコーダーの映像のXさんの動きから主張をされていましたので、Xさんにドライブレコーダーの映像を確認いただくとともに当時の状況をお聞きしました。そうしたところ、相手方代理人はXさんの動きの一部を見て進行中の車に近づいたと主張しているようであり、Xさんが通路前で一度止まっていたことや車との距離、体の向きなどの映像全体から、通路を渡ろうとしたが車に先を譲り、横にそれて体を避けようとしたが避けきれずに接触していたことが見て取れました。この点を主張して過失割合について反論していくことにしました。
また、休業損害については、Xさんの業務内容や勤怠状況に関する当方の言い分を添えた書面を提出した他、相手方代理人と協議の上、自賠責保険に対する被害者請求を行うこととなりました。
そうして、何度か相手方代理人と協議や示談交渉を重ねたところ、最終的に当初の提示額の満額に近い金額で示談することができ、Xさんとしても満足のいく結果になりました。
4.おわりに
ドライブレコーダーの映像がある場合には事故状況に争いがないことが多いですが、映像の内容によっては過失割合が争点になる場合があります。その場合でもいかなる見方が合理的か、粘り強く反論していくことが必要になります。
また、本件は当初セカンドオピニオンとしてご相談をいただきました。当法人では、既に他の弁護士に依頼済みでも今後の方針について不安がある場合にはセカンドオピニオンとしてご相談いただき、その後改めてご依頼いただくことも可能です。
少しでも気になる点がございましたら、お気軽に弁護士にご相談ください。

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【かしま法律事務所】
所属弁護士:佐々木 英人(ささき ひでと)- プロフィール
- 山形大学人文学部卒業、中央大学法科大学院法務研究科修了。弁護士登録後はかしま法律事務所に所属し、主に、交通事故、労働事件、相続、離婚・不貞問題、中小企業法務(労務問題)を中心に活動を行う。ご依頼者様にしっかり寄り添い、少しでも早く不安や不満が解消されるよう迅速な活動を心がけている。好きな言葉は「雨垂れ石を穿つ」。


