解決事例

解決事例02

仕入れ担当の従業員が会社購入の在庫商品を転売し、多額の損失を受けたため損害賠償請求した事案

解説弁護士
谷 靖介

業種 用品販売
業務内容 問題社員対応
解決方法 交渉

商品の仕入れ等を担当していた従業員が、会社の購入した在庫商品を個人的に転売していたことで、会社が多額の損失を被っていることが発覚。会社経営者様からのご依頼を受け、当該従業員に対し、被害額賠償を求めた事案です。

解決のポイント

まず、転売行為に関する立証可能性が気になりました。もっとも本件では、幸いにしてご依頼者様が十分な証拠を収集されていたこともあり、立証の問題はクリアできる見通しが立てられました。

次に、個人に対する金銭回収の難しさという問題についての懸念がありました。如何に法的拘束力のある判決等を獲得したとしても、現実的な資力に乏しい者から金銭を回収することはできないことがあります。

そういった事態に陥る可能性を踏まえつつ、手続を履践する上で要する費用・労力と期待できる結果とのバランスが釣り合うのか、複数ある手続の中で回収可能性を高められる方法はないか等の視点から方針を検討しました。

交渉の経過

まずは、当該従業員からの事情聴取等の調査活動、陳述書等の証拠資料作成に着手しました。当該従業員に対し事情聴取を行う際は、反省を促すよう説得し、資力調査への協力要請等もあわせて行いました(当該従業員も素直に協力してくれました)。

当初は、当該従業員本人から、長期分割払いをしてもらう方針を想定し、公正証書(債務弁済契約)を取り交わす方法を検討していました。

しかし、何度か当該従業員と面談を重ねていく過程で、当該従業員及びそのご家族の方々に真摯に問題解決に向き合ってもらうことができ、最終的には、ご家族の協力を得て示談による早期解決を図ることができました。

個人からの金銭回収事件において、早期に相応の金額を回収できるケースは珍しいかもしれません。しかし、可能性がある場合には、粘り強く交渉に当たることの大切さを感じた事案でした。

当事務所が関わった結果

ご依頼をお受けする前から何度か相談を実施させていただいておりましたが、実際に受任してから約3か月間で業務終了となりました。

弁護士に依頼することのメリットのひとつとして、相手方と直接接触することを回避することができ、心理的な負担を軽減できることが挙げられます。そういった観点でいえば、当該従業員に対する面談や事情聴取を行うことで、多少お役に立てたかなと思います。

今回の事案は結果として、被害額全額を早期に回収することが出来ました。もっとも、このような結果は、当該従業員の家族の協力が得られたからこそであり、全ての事案で今回のような結果を出せるわけではないかもしれません。本事案においては、当該従業員の方と面談を重ねて、真摯に被害回復を図る方策を考えてほしいと丁寧に訴えかけたことが功を奏したと思います。

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