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2022.5月号:企業の誹謗中傷対策について

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企業の誹謗中傷対策について

近年、インターネット上での誹謗中傷や「炎上」、ネガティブ情報の発信が相次いでいます。ネット上での評判は不買運動にもつながりかねず、企業の収益に大きく影響します。企業にプラスイメージを抱かせる口コミ等であれば問題ありませんが、中には根拠のない誹謗中傷やネガティブ情報も存在し、企業は大きな不利益を被る可能性があります。
企業に関する誹謗中傷やネガティブ情報が発信された場合、企業はどのような対応をすべきでしょうか。問題が発生した場合にはスピード感ある対応が必要となりますので、日ごろから対策を講じておきましょう。

1 法的対応

インターネット上でネガティブ情報や誹謗中傷が発見された場合に考えられる法的対応としては、問題の情報を削除したり、問題の情報を発信した者に対して責任追及(民事上の損害賠償請求等・刑事上の責任追及)を行うなどが考えられます。
情報の削除のみであれば、①ウェブフォーム等からの削除依頼 ②プロバイダ責任制限法ガイドラインによる方法をとることで、企業のみで対応することも可能です。もっとも、発信者への責任追及まで行う場合には、発信者の特定のため裁判を行う必要があり、弁護士へ依頼する必要があります。

2 法的対応以外の方法

企業としては、一刻も早く問題を収束したいところです。しかし、対応を誤ると収束が困難となるため、慎重な判断が求められます。
例えば、情報が記載されているサイトによっては、削除依頼した内容が公開されたり、情報を削除することにより「炎上」するリスクもあります。そのため、情報を削除する方法ではなく、企業からプレスリリースなど積極的に情報を発信する方法や、ネガティブ情報をネット上で表示されにくくする方法(逆SEO対策)が考えられます。

3 企業としての損害が賠償されるか

理論上、企業(法人)も個人と同様、名誉棄損や著作権侵害等を主張して企業の損害を発信者に請求できます。しかし、実際の裁判では企業の損害(問題となった情報が売上減少を招いたこと)を立証するためのハードルが高く、訴訟で金銭的賠償を受けることが難しいのが実情です。

4 日頃のネットリテラシー教育

残念ながら、企業に関するネガティブ情報は必ずしも企業外部からの発信に限りません。社内関係者が、不適切な写真等を投稿して問題になるケースも多々見られます。このようなトラブルを防ぐためにも、日ごろから社内のネットリテラシー(インターネット情報を正しく使用できる能力)を高める研修や周知を行うことが大切です。

5 まとめ

インターネット上での誹謗中傷、ネガティブ情報に関しては、頭を悩ませる企業も多いことと思います。ある日突然企業がトラブルに巻き込まれるケースが多いため、基本的な対応方法を押さえておき、日頃から問題に備えておくことで、いざという時に冷静な対応が取れます。

【津田沼法律事務所】
所属弁護士:北岡 真理子(きたおか まりこ)
プロフィール
上智大学法学部卒業、上智大学大学院法務研究会修了後、弁護士登録(千葉県弁護士会)。主に、交通事故、労災事故、債務整理、相続、離婚、中小企業法務(労務問題)を中心として、「最善の解決策が何かをつねに検討し、それを実現させる」という気持ちを大切に、活動を行う。趣味は散歩や小旅行。

交通事故解決事例

Aさんは交通事故で頸椎捻挫の怪我を負い、通院をしていました。治療費は、相手方の保険会社が支払ってくれていました。そのような中、Aさんは前の事故から1か月後にまた交通事故に遭い、首や腰を痛める怪我を負ってしまいました。

交通事故での治療中に、また交通事故に遭い、同じ場所を負傷した場合、治療費の支払いはどうなるのですか。

事例のように違う事故で同じ個所に怪我を負わされた場合を「異時共同不法行為」と呼びます。複数の加害者が、別のタイミングで、共同して損害を発生させたというものです。
2回目の事故があった時点から、治療費の支払いを受け持つのは、2回目事故の相手方保険会社に切り替わります。もっとも、以下で述べるとおり、2回目の事故以降の損害の全額を、2回目の事故の保険会社が支払ってくれないこともあります。単独の事故や、複数の加害者がいる1回の事故とは扱いが異なりますので注意が必要です。

1回目の事故については、先に示談してしまっても構いませんか。

2回目の事故の治療が終わるまで待つことが望ましいです。
違う事故で同じ個所を怪我したような場合、後になって、どちらの事故がどれだけ影響して損害が生じたかについて争いになることがあります。
1回目の事故で示談を済ませた後になって、2回目の事故の保険会社から「あなたの怪我は、1回目の事故も影響して生じたものなので、すべての損害については賠償できない。2回目の事故の影響した部分だけ支払います。」と主張されてリスクもありますので、示談には慎重になった方がよいといえます。

治療が終わった後も痛みが残ってしまいました。どのような対応をすることになりますか。

両方の事故で負傷した部分(今回の事例では首)に後遺障害が残った場合、両方の加害者車両の自賠責保険に対して、後遺障害の申請をすることができます。後遺障害が認定された場合には、両方の自賠責から保険金を受け取ることができます。
事例の件では、最終的に首の痛みは治癒し、後遺障害が残った個所が腰だったため、2回目の事故の自賠責保険にのみ後遺障害の申請をし、第14級の認定を受けました。

異時共同不法行為の場合、それぞれの保険会社が、個別に指示することに従っているだけでは、適正な賠償を受けられないことがあります。
対応が複雑で難しいような場合にはぜひ弁護士にご相談ください。

【船橋法律事務所】
所属弁護士:三浦 知草(みうら ちぐさ)
プロフィール
中央大学法学部法律学科卒業後、弁護士登録(千葉県弁護士会)。
主に、交通事故、相続などを中心に活動を行う。趣味は読書、野球・ボクシング・相撲のTV観戦。

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